子供の水球の習い事はおすすめ? いつから始めるのがいい? 水球教室ではどんなことをするの? 特徴、メリット、適性、費用など子供の水球の習い事の詳細と体験談の口コミを紹介。
子供の水球の習い事は、スイミングの習い事に比べるとマイナーなスポーツのイメージですが、オリンピックでポセイドンジャパンの活躍を見て関心を持った方もいるかもしれませんね。
高校や大学で水球部のあるところはそれなりにありますが、中学生や小学生対象の水球のクラブチームはそう多くないかと思います。各都道府県に数チームずつある程度ではないでしょうか。
水球とは、19世紀にイギリスで考案された、深さのあるプールで行う水中ハンドボールのようなスポーツのこと。相手のゴールにボールを入れることで得点します。泳ぎながら行うボールゲームであり、スピード、コンタクトプレー、さらに格闘技要素を兼ね備えた迫力のある競技です。
水球は、高校生になってからゼロから始めるよりも、小・中学校からやっていた子のほうが有利と言われています。小学生、中学生で競泳をやっていて、高校から水球に転向する子も多いようです。
「うちの子、サッカーや野球には興味がなさそうだけど、何か運動の習い事をさせたい。できることなら、チームプレーのスポーツをしてほしい。」と思っていて、通える範囲内に教室やクラブチームがあれば、水球の習い事は候補のひとつとしておすすめです。
このページでは、子供の水球の習い事のメリット、適性、月謝(お金)、親の負担、子供に水球を習わせてよかったことなど、体験談を交えて、子供の水球の習い事を詳しく紹介します。
【このページの目次】
子供に水球を習わせるメリットは以下の通り。
水球は全身運動であり、運動量もかなりのものなので、成長期に水球の習い事をすることで、体力がつく、心肺機能が高まる、良い筋肉がつく(逆三角形の体型になりやすい)、競泳の能力が伸びる、などの効果が期待できます。
また、チームプレーなので協力性を養うことができる、競技人口が少ないので経験者が珍しがられる、などのメリットも。特に、女子は男子に比べてはるかに競技人口が少なく、一つの高校で一つのチームを作ることが難しいため、水球をやっている女子を集めて作る県代表選抜チームなどから声が掛かることもあるようです。
また、男子は競泳(中学水泳部)以外にも、スポーツ(水球)の裁量枠で話がもらえる可能性も。
逆にデメリットとしては、競技人口が少なく、子供が水球を習いたいと思っても、通える範囲内にその環境(水球の教室やスクール、チーム)が見つからない場合があること。また、水球用の水深のあるプールは屋外にあることが多いので、日焼けは避けられないことです。その点は、屋内で行うスイミングスクールと大きく違う点でしょう。
子供の水球の習い事は、具体的にどんなことをするのでしょうか。
今回は、息子さんに小学2年生から中学2年生の現在に至るまで6年以上通わせている静岡県のMさんにお話を伺いました。
- 水球の習い事ではどんな練習をしますか?
Mさん:「うちの息子が通っている水球教室の場合は、小学校低学年の子はまず公営のプール(足が付く深さ)で泳ぐことから始めます。ある程度クロールや平泳ぎができてから、「巻き足」や「蹴り足」など水球独自の泳法を学びます。
夏場は、水球部のある地元の高校の屋外プール(水深1.6メートル)で練習。足が付かない中で立ち泳ぎや移動ができるようになったら、ドリブルやシュート、ディフェンスなどを練習していきます。」
- みんなが同じように水球の練習ができるもの?
Mさん:「レベルは泳力と学年で、小学校低学年クラス、小学校高学年クラス、中学生クラスの3つに分かれています。低学年クラスはまだ泳げない子供もいて目を配るがあるため、最初の時間帯は低学年クラスのみで練習、そのあと高学年クラスと中学生クラスが同じ時間帯にコースを分けて練習を行います。」
- 練習量(練習時間)はどれぐらい?
Mさん:「水球の習い事の練習量は、オフシーズン(10月から5月)は、小学校低学年クラスが毎週土曜日に屋内プールで1時間、オンシーズン(6月から9月)は屋外プールで1時間。小学校高学年クラスと中学生クラスは、オフシーズンは毎週土曜日に1時間と夜連が1時間。オンシーズンは夜練習がなくて、屋外で2時間が週2~3回です。
息子が通っているのは、あくまで高校でやる水球の下積みが目標のクラブなので、ジュニアで強くなり勝ち進もうという趣旨ではありません。そのため、水球の試合回数も年に3~4回(高校生の引退試合と新人戦の時に混ぜてもらったり、〇〇カップなどの大会参加)と、多くはありません。」
スイミングの習い事では、基本的な泳ぎをしっかり教えてもらえるので、軸がぶれないきれいな泳ぎの基本姿勢(ストリームライン)が身につき、4泳法(クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ)がマスターできます。
対して水球の習い事は、クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの泳法も使いますが、スイミングのようにきっちり教えてもらえるわけではなく、水球の練習を通してや自力で習得していくので、型としては、必ずしも綺麗とはいえません。
しかし、水球では、プールの中で待っているときは立ち泳ぎ(水面で両足を交互に内回し)、ゆっくり進むときは蹴り足(手はクロールで足は平泳ぎのような変形、顔はつけない)、早く進むときは顔上げクロール、ディフェンスのときは顔上げ・背泳ぎと、全部やります。
水に浮き続けたり、沈められないためには、泳力と下半身の強さが必要。そして、ボールを投げたり、パスを回したり、シュートをしたり、相手を沈めたりするので、肩や腕の筋肉も発達していきます。
つまり、少々乱暴な分類になりますが、スイミングの習い事が泳ぎのきれいさと速さを競うのに対し、水球の習い事は持久力やボールの扱い、戦局を読むことなどが求められるといえるでしょう。
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水球の習い事は、教室(スクール)やチームによって異なりますが、「小学校1年生以上で水球に興味がある子、できれば、クロールで25M泳げる子」が入会基準を満たしている(適性がある)ようです。
前述のMさんに、水球の習い事の適性や、いつから始めるといいのか、お話を伺いました。
Mさん:「うちの場合は、長男が気管支が弱かったので(後々、喘息だと判明)、呼吸器を強くしたいという思いと、男子なので何かしら運動をさせたいという思いから、小学校2年生のときに水球を始めました。長男に続き、3歳下の次男も小1になったときから水球を始めました。
水球をやらせていて良かったと思うのは、気管支が強くなり、寝込む回数が減ったこと。肺活量が増えて体力・持久力が付いたこと。そして身体能力も上がったので、泳力はもちろん、総合的な運動(例えば持久走やシャトルラン的な持続力を問うものや、肩の力が付くのでボール投げなども)でも良い成績を残せるようになったことです。」
水球の習い事は、必ずしも小学1年生から始めなくても良いですが、小学校中学年(小3~小4)くらいのときに始めると良い結果に結びつきやすく、その後(中学・高校の部活など)の選択肢も増える傾向があるようです。
水球の習い事の教室・クラブチームの選び方については、まずはロケーション、つまり通える範囲内に教室があるかどうかが大切です。(水球の教室・クラブチームルはそう多くはないため)
通える範囲内に水球教室があったら、内容と費用を確認しましょう。強さを追求し、勝ちにいく指導をするのか、あるいは、水球の楽しさを教え、高校・大学での水球部へ進むことを目指しているのか。
どんなスポーツでもそうですが、教室・チームの方針と家庭の方針がずれていると、習い事としての満足は得にくいので、近くに水球教室があるのなら、一度見学に行き方針を聞いたり、雰囲気を確かめてみることをおすすめします。
前述のMさんの場合は、「我が家は、チームとしてのレベルの高さはそれほど重視しておらず、水球の泳力を養い、競泳にも役立ち、丈夫な体を作り、仲間との協調性を学ぶ場になればよいという気持ちで、いまの水球教室を選びました。」とのことでした。
水球の習い事の月謝や、かかるお金はどれくらいでしょうか。前述のMさんに聞いてみました。
Mさん:「うちの息子が通っている水球教室は、営利目的のクラブムではないため、月謝は月1,000円ととても安いです。そこからプール使用料や、チームで使うボールや帽子代を捻出してくれています。
さらに、余った分は積み立てにしてくれて、ある程度貯まると用品(Tシャツやスイムキャップなど)で還元してくれ、今までに、チームTシャツ、ハーフパンツ、パーカー、スイムキャップをもらいました。水球の競技人口を増やしたいという理念があるからだと思いますが、とても良心的ですよね。
個人的な用品としては、水球水着(アメリカ製、4,000円程度)を使用しますが、購入は強制ではなく、任意です。
その他、水球は基本的には潜らないので、試合中は使いませんが、水泳用のゴーグルはアップで泳ぐときに使います。あとは、セームやラップタオル(スカートタオル)程度でしょうか。
水球の習い事に関して、用品代はほとんど掛かっていない認識です。」
子供の水球の習い事は、基本的にプールの中で行われるため、親の負担は主に「送迎」になるでしょう。負担の大きさは自宅と水球教室(プール)までの距離と、練習の頻度によって異なります。
子供自身が徒歩や自転車で通えるところに教室があれば、親の負担はほとんどないと思います。
自宅でできる練習としては、お風呂上がりのストレッチ、ボールを壁にあててドリブルをして手に馴染ませることなど。また、片手で取って片手で投げられるようにキャッチボールをするのも効果的です。親の負担というほどではないですが、こうした練習に付き合えるとベターかもしれませんね。
Mさん:「うちの子たちは、サッカーも野球も興味を示さなかったですし、スイミングスクールの大人数で順番を待ってやるというのも好きではなかったので、小さいころは何を習わせようか迷いました。
男の子だからとは言いませんが、何か身体を動かす習い事をしてほしかったのと、中学に入って部活を選ぶ際の選択肢がある方が良いと思ったので、水球の習い事を始めさせました。
結果的に水球をずっとやってくれて良かったと思います。身体も丈夫になったし、良い筋肉も付きました。そして、良い仲間といっしょに頑張っていることも彼らの財産になっていると思います。
長男は現在中2ですが、この先も水球をやりたいという希望があるため、高校受験でも選択肢が増えているようです。小2から水球を始めていて本当に良かったと思っています。」