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少年野球とは、一般的に小学校に通う子供が所属するスポーツ少年団などで行われる軟式野球のことを指します。
(※小学生の野球を「学童野球」といい、中学生の野球を「少年野球」とする区分もあるようですが、ここでは、小学生の軟式野球を「少年野球」として解説します。なお、軟式野球と硬式野球の違いは、主にバッド、ボール、グラブ、グランドで、それらの違いに起因してプレイも変わってきます。)
軟式の少年野球に対して、硬式野球のチームは「リトルリーグ」などと呼ばれ、いわゆる軟式の「少年野球」とは区別することが多いです。
軟式のチームに比べて硬式のリトルリーグは数が少ないのですが、高校→大学→実業団やプロ、という進路を本気で視野に入れている場合、やや遠方でも硬式野球のチームに入ることを選択することがあるようです。
もちろんチームごとにカラーは違いますが、大まかにいえば、スポーツ少年団は「スポーツを好きになってほしい、スポーツを通して健全な成長をしてほしい」という方針のところが多く、お当番や送迎など保護者の負担は大きいものの、金銭的な負担は少ないことが多いです。
対して、リトルリーグはは、試合に勝つこと・強くなることを主目的にし、その道に進みたいと考える子供たちが集まってくる傾向があります。遠征なども多く、金銭的・時間的にも親の負担も大きいのが特徴。
自分と子供がどういうスタンスで野球をやりたいのか(やらせたいのか)によって、入るチームを選ぶことになりますが、ここでは、軟式の「少年野球(スポーツ少年団)」の習い事のメリットや適性、親の負担などについて、実際に子供を少年野球に通わせていたお母さんから聞いた話を交えながら、紹介します。
【このページの目次】
スポーツ少年団とは何か? 以下に、日本体育協会の文章を引用します。
”スポーツ少年団は、1962年に財団法人日本体育協会が創設した歴史あるスポーツクラブです。「一人でも多くの青少年にスポーツの喜びを!」「スポーツを通じて青少年のからだとこころを育てる組織を地域社会の中に!」と願いつくられました。約20万人の指導者と、約83万人のスポーツが大好きな仲間たちが、スポーツ少年団に登録しています。”
スポーツ少年団(スポ少)は、それぞれが独自に自主的で主体性をもった活動を展開しているので、一口に「スポ少」と言っても、団によってカラーはかなり違うと思います。
基本的には、スポーツ少年団は子供にそのスポーツ、(広い意味では運動全般)を好きになってもらい、子供の心身の健全育成を図り、礼儀礼節を身につけ、生涯スポーツを楽しめる人間になってもらうということを目的にしているため、運動がもともと得意な子でなくても、低学年であっても、チームに所属しスポーツを楽しむことができます。
スポーツ少年団は営利目的の団体ではないので、指導者は基本的にボランティアです。そのため、技術や指導力に関してはバラつきがありますが、スキルアップのために指導者講習を受けたり、指導者資格を取得するケースも多いようです。
スポーツ少年団の活動(練習・試合)は小学校の休日である土曜・日曜・祝日に行われますが、チームによっては平日の放課後(夕方)に練習を行うところもあるようです。
スポーツ少年団は一般的な習い事と異なり、当番や遠征時の車出し(送迎)など、保護者の負担は少なくありません。両親ともが土日に仕事をされている家庭だと、スポーツ少年団に入るのは難しいケースも。
ただ、保護者の労力(時間的負担)が大きい分、金銭的な負担は少ないことが多いのも特徴です。
子供にスポーツ少年団で少年野球を習わせるメリットは下記の通りです。
筆者が話を聞いたお母さんたちは、特に「体力がつく」「礼儀正しくなる」「いい仲間ができる」ということを強く言っていました。
低学年から参加すると、練習時間も練習期間も長くなるため、そこで培われる体力、精神力、そして絆は、団に参加しているときのみならず、卒団後も子供にいい影響を残すようです。
反対に、子供にスポーツ少年団でソフトボールを習わせるデメリットとしては、
・ 土日祝がほぼスポ少でつぶれてしまうため、週末の家族のお出かけやレジャーがしにくくなる。
・ 兄弟姉妹がいる場合、二人ともスポ少に入っている場合はよいが、そうでない場合、入っていない子に少ししわ寄せがいく。(親がスポ少のほうにかかりきりになりやすいため。)
・ 指導者が仕事として指導をしているわけではないため、上を目指す子供にとっては物足りないケースも。(指導者資格所有者も多いですが、あくまでボランティア。)
・当番や車出し(送迎)など、保護者の負担が大きい。(詳しくは後述)
などが挙げられます。
スポーツ少年団の少年野球では、どんなことをするのでしょうか。
いわゆる「少年野球」は小学校や地区単位でチームを作っていることがほとんどですが、場合によっては学区外から通っている子もいます(通っている小学校にチームがなかった、どうしても地元のチームに馴染めなかった、など)。
練習は小学校のグラウンドなどで行われることがほとんどで、監督やコーチは大抵、地元の野球経験者がボランティアで務めています。かつて自分の子供がスポーツ少年団に所属していて、子供が卒団したあともそのままコーチをしている場合も珍しくありません。
また、現役団員の親が「週末だけなら手伝えます」というように手を挙げてくれることも。
チームによって練習頻度は異なりますが、平日の放課後や週末みっちり練習、というところも少なくありません。体力づくりやキャッチボール、バッティンクなどの日ごろの練習に加え、週末は地元での対抗戦などに出場したり、近隣のチームと練習試合をしたりとなかなか多忙です。
地元のスポーツ少年団の場合、大がかりな遠征はあまりありませんが、地区の大会で勝ち進んで行くと、やや遠方の大きな野球場でプレーすることもあります。
少年野球の習い事の適性については、正直なところ、どんな子でもその子なりの取り組み方ができるので、「運動神経がよくないから向いていない」ということはありません。
また、野球にはいろいろなポジションや役割があり、様々なタイプの子供が活躍できるスポーツです。
投げる、打つ、走る、捕る、声を出すなど、どれでも得意なことをがんばっていくと、その得意なことはもちろん、それに付随して他の部分も自然と上手になっていきます。
能力がまんべんなく高いわけではなくても、「代走といったらこの子」「絶対に点数を取られたくない時の守備はあの子」などというような形で、スポットで重宝されることもよくあります。
中学・高校ともなれば、体の大きさ・肩の強さなどの適性(向き不向き)も出てくると思いますが、少年野球(小学生のスポーツ少年団)の場合は、本人にやりたいという意思があり、親も当番や送迎などの負担を受け入れられるのであれば、習い始めるのに問題はないと言えます。
スポーツ少年団で少年野球を始める年齢に関しては、1年生~6年生までどのタイミングでもOKです。小学校入学と同時にスポーツ少年団に入る子もいれば、5年生の終わりころ~6年生の初めころに入団する子もいますが、多いのは3年生~4年生の小学校中学年。
理由は、小学校1年生くらいだと1日通しての練習には体力・集中力とともに持たず親のフォローが欠かせないこと。5~6年生だと体力・集中力はあり、ルールなどの理解も早いのですが、自分より野球経験の長い年下の子が試合に出ているのに自分はなかなか出してもらえないと悔しい思いをする場面も。
小学校時代には活躍できなくても、中学で野球部に入る意思があるなら、5~6年生に始めるのも良いでしょう。
子供のスポーツ少年団の習い事は、一般的な習い事とは異なり営利目的の団体ではなく、指導者もボランティアのため、部費(団費)は少なめ。毎月1,000円~2,000円程度のところが多いです。兄弟が入っていると、下の子に「兄弟割」が適用されるところもありますよ。
グローブやバットなどの野球用具も必要です。グローブは大抵3,000円~6,000円ほど、バットは5,000円~10,000円ほどかかりますが、団のものを使わせてもらうことも多いため、必ずしも全員すべて購入する必要はなさそうです。団によって異なるので、事前に確認しておくと安心ですね。
野球はユニフォームやそれに付随した小物も必要です。ユニフォーム上下、アンダーシャツ、ベルト、靴下、スパイク、帽子などこまごまとあり、全部まとめて揃えようとすると、20,000円~30,000円ほど必要です。
ただし、年上の子供のサイズアウトお下がりをもらえるということもあるようなので、親同士の連絡をこまめにしておくとよさそうです。
ちなみに、筆者が話を聞いた少年野球のスポーツ少年団は団員が少なく、かつ保護者間の連絡が密なこともあり、お下がりをもらえることがとても多かったそうです。「新品を購入したのは数えるほど、あとはほとんどお下がり」と言っていたお母さんもいました。それだと金銭的にはとても助かりますよね。
また、遠方での試合の時は宿泊を伴う場合があり、その場合は宿泊費や食費などが必要です。ただし団費からの補助を受けられることもあるため、負担は一回の遠征で5,000円程度とのことでした。(親が応援に行くのであれば親の分の宿泊費や交通費は別途必要です)
子供のソフトボールの習い事(スポーツ少年団)の記事でもスポ少の費用について書いています。
一口にスポーツ少年団といっても、チームごとにカラーや方針、雰囲気は大きく異なります。
一概には言えませんが、強いチームは勝つことを主目的に据えていることも多く、極端な例だと、低学年の技術が未熟な子がデットボールで進塁したことを「よくやった!」と言ってしまうような監督のいるチームもあります。(実際、昭和スタイルの根性論を地で行く指導者も少なくないのが現状です。)
考え方は人ぞれぞれですが、「チームスポーツを楽しんでほしい、運動を好きになってほしい」という目的でわが子を入団させたのに、勝利だけを追求するチーム方針だと、双方にとって良い結果を生みません。逆に、強くなりたい、ゆくゆくはその道へ進みたいと親子ともに考えているような場合は、「和気あいあい」タイプのチームでは物足りなさを感じることでしょう。
チームのカラーや方針、雰囲気を確かめるには、実際に見学や体験に行ってみることが肝心です。
体験入団を受け付けているところもありますが、雰囲気を知るためには「そのチームの試合を見に行く」というのもひとつの手段です。監督やコーチが試合中実際にどのように指導しているのかを見ることができますし、観客席にいる保護者の雰囲気も知ることができます。また、面倒でも、一回きりではなく何度か体験・観戦に行くことをおすすめします。
昔からあるスポーツ少年団の場合は、身近にOBやOGがいることも少なくありませんから、「地元にずっといる人」からの情報を集めてみるのもいいかもしれませんね。
また、筆者が話を聞いた限りでは、親として一番大変なのが「送迎」とのことでした。そこから考えると、まずは「近くて通いやすいところ」(通常練習は子どもが徒歩や自転車で通えるところ)で検討してみるというのも一案です。
少年野球の習い事(スポーツ少年団)の金銭面以外での親の負担としては、
・送迎
・試合の日のお弁当づくり
・お茶当番
・保護者会
・親睦会やキャンプの準備
などが挙げられます。
お弁当づくり(※チームによってはおにぎりだけのことも)は、毎日ではなく試合の時だけとのことでしたが、試合をよくするチームの場合は頻度は増えそうですね。
スポーツ少年団は団費が安い分、当番など親の負担が大変だという印象ですが、話を聞いたお母さん達が「当たり前にすることなので、『負担』と思ったことがない」と言っていたのが印象的でした。
ただし、どの程度の親の負担があるかはそれぞれのスポーツ少年団ごと、チームごとにまちまちです。(送迎や会計、事務などのうち)どこまでを監督・指導者が負担し、どこまでを保護者が負担するかによっても異なるでしょう。
子供のソフトボールの習い事(スポーツ少年団)の記事でもスポ少の親の負担(当番や役割)について書いているので、ぜひ読んでみてくださいね。
子供にスポーツ少年団で少年野球を習わせている(いた)ママに「少年野球をやらせてよかったと思うこと」を聞きました。
「少年野球では、素敵な仲間に恵まれ、悔しいことも嬉しいことも良い思い出になりました。低学年のレギュラーの守備に助けられて県大会へ出場できたことは忘れられません。『全員野球』のマインドは今後成長していっても役立つと思います。いい経験をさせてもらいました。」
「子供がやりたがったのでスポーツ少年団に入団させました。野球に熱中している姿を見たり、試合の自主練を親がサポートしたりすることで、同じ時間を共有できることはとても良かったと思っています。
また、高校野球やプロ野球を一緒に観戦することも多く、長期休暇でも家族で野球観戦に行ったりします。親子の共通の会話が増えて嬉しいです。」
(文章:鞠ようこ, 編集:ayan)