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子供のそろばん(算盤)の習い事は、日本人にとっては、習字と並んで昔から人気のある定番の習い事です。
その歴史は江戸時代の寺子屋にまでさかのぼり、昭和中期くらいまでは「読み書きそろばん」と言われるほど、そろばんの技能は必須とされる能力でした。現在30代~40代の親御さんの中にも、子供のころにそろばんを習っていた経験のある方も多いかもしれませんね。
パソコンが普及している現代では、仕事の場で実際にそろばんを使う機会はないかもしれませんが、そろばんの習い事で暗算能力を身につければ一生使える特技にもなります。また、計算能力だけでなく、「そろばんをやると頭が良くなる」と言われるように、一般知能の向上にも役立つことが脳科学でも判明されているので、そうした部分を期待して子供にそろばんを習わせる親御さんも多いようです。
そろばんというと、「ねがいましては……。」で珠をパチパチとはじくイメージが強いですが、最近ではパソコン画面のパッパッと瞬間的に表示されていく数字を計算する「フラッシュ暗算」を取り入れているそろばん教室も増えているようです。これは、従来のそろばん教室よりも、算数教室に近いと言えるかもしれません。
そろばんの習い事を始めるのに必要なものはそろばん本体のみ(あとはそろばん教室ごとにテキスト等)なので、初期費用があまりかからず、気軽に始められるのもそろばんの魅力と言えます。
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子供にそろばんを習わせるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
「そろばんを習うと頭がよくなる」については、脳科学者であり、脳育成学の専門家である澤口俊之先生が、そろばんも(ピアノと同じように)脳の構造を変えることが分かっていると述べています。
”一般知能についても、私がそろばん教室に協力してもらい統計的に調べてみました。その結果、一般知能、ワーキングメモリなどの知的能力が向上することがわかりました。
(中略)
もともとの知能の高さより、どれだけそろばんを長くやってきたかという練習の強度が、一般知能を上げる要因になっていることがわかりました。つまり、もともとの優秀さは関係なく、そろばんを長くやればやるだけ、一般知能が高まるということです。”
(『プレジデントFamily プレジデントムック 塾選び習い事選び大百科 2015年完全保存版』(プレジデント社)p.110より引用)
なお、メリットが目立つそろばんの習い事ですが、デメリットとまでは言えないものの、「計算問題は得意になるが、それは四則計算中心の小学校低学年までで、高学年からの算数に必要な応用力をそろばんで付けるのは難しいかも。」という意見もあることも、参考までに書き添えておきます。
子供のそろばんの習い事では、具体的にどんなことをするのでしょうか。今回は、小学2年生からそろばんを習い始めて、現在そろばん歴2年3ヶ月になる娘さんをお持ちの滋賀県のみーママさん(40代)にお話を伺いました。
(以下はあくまでみーママさんの娘さんのそろばんの習い事に関する回答で、すべてのそろばん教室が同じというわけではありません。)
- 子供にそろばんを習わせようと思ったきっかけは何ですか?
みーママさん:「子供に計算の基礎力を鍛えて欲しかったこととと、注意力・集中力をつけてほしかったので、そろばんは必ず習わせようと思っていました。家の近所にはそろばん教室は1つしかなかったため、見学に行ってその場でそろばんを習うことを決めました。
- 子供のそろばんの習い事は、具体的にどんなことをするのでしょうか?
みーママさんさん:「娘の通うそろばん教室では、昇級すると、新しい級の練習の仕方を簡単に教えてもらうようですが、あとは子供たちは自由に来てそろばんの練習をし、自分でマル付けをして帰るそうです。子供たちは基本的にすべて自分でやり、分からないときだけ先生に質問するスタイルです。」
- 週に何回くらい、何時間くらいそろばんの習い事に通っていますか?
みーママさん:「そろばん教室は1回60分程度で、週に2回通っています。
それ以外に、自宅で20分~30分ほどのおさらいを週に3回ほど。私(親)はそろばんができないため、子供がひとりでやっていますね。」
そろばんの習い事に向いている子は、まじめにコツコツ頑張れる子。また、競争心のある子は昇級も早い傾向があります。
ただし、そろばんの習い事は勉強としての要素が強いため、もともと集中力や注意力、競争心が欠けていても、それらを鍛えたいという(本人あるいは親の)希望・目的で始める子も多いようです。
先ほどのみーママさんに、子供のそろばんの習い事の適性と、いつから始めるのがおすすめかを伺いました。
どんな子がそろばんの習い事に向いていますか? そろばんはいつから始めるのがいいですか?
みーママさん:「そろばんは、計算する力はもちろん、集中力や昇級に関してお友達との競争意欲も付くので、机に向かうのが苦にならないお子さんにはおすすめです。ただし、週に2~3回教室通い、また家でも宿題をする必要があり、そのあたりの適性によって、向き不向きはあると思います。
幼稚園からそろばん教室に通わせる方もいらっしゃいますが、他の方よりも飛び抜けて早めの昇級を目指すのでない限、小学校低学年頃から習い始めるのでいいのではないかと思います。ただ、あまり遅くなると、他のお子さんが上級なのに自分だけ初心者ということで、恥ずかしいから嫌だと思われるかもしれません。」
そろばんを習い始める時期については、「小学校入学ころにそろばんを始めると”そろばん頭”になれるのでおすすめ。」という意見もあれば、「九九を習い始めてからのほうが……。」と意見もあるようです。
子供のそろばんの習い事の月謝(お金)について、みーママさんに伺ってみました。
- 子供のそろばんの習い事の月謝、月謝以外にかかるお金について教えてください。
みーママさん:「うちの娘が通っているそろばん教室では、年間7万5000円程度のお金がかかります。
内訳は以下の通りです。
・月謝5,000円(年間6万円)
・施設使用費(年間5,000円:公共施設使用料)
・昇級ごとにテキスト代1000円程度
・検定料1000円~1500円程度(級により異なる)おおよそ年間3000円~5000円程度」
- 子供のそろばんの習い事に必要な用具・用品代について教えてください。
みーママさん:「そろばんの習い事を始めるのに必要なものは、そろばん本体のみ。そろばんカバー込みで3,000円~5,000円程度のものが多いです。ほかの習い事に比べると用具代はかなり安く済むと思います。」
そろばんは基本的にはひとりで黙々と行うものなので、親の負担は特にありません。家でのおさらいも親のサポートは特に必要ないようです。
そろばんは週に2~3回教室に通うケースが多いようで、送迎が必要な場所の場合は、送迎が親の負担になるかもしれませんが、子供が歩きか自転車で通える近所のそろばん教室を探せば、その負担もありません。
一般的に小学生が通うそろばん教室は、小学生が下校する夕方に開いていることが多いようです。
子供にそろばんを習わせているママに「そろばんを習わせて良かったこと」を聞きました。
「そろばんを習わせて良かったことは、計算を早く正確にできるようになったこと。(学校の問題程度であればまず困ることはありません。)また、注意力に欠ける点があるという、娘の弱点を小さいうちに本人に自覚させ、克服する努力をするチャンスを得られたことも良かったです。」
「週に数回そろばん教室に通っていますが、級がぐんぐん上がっていくのが楽しいようです。集中力や、目標に向かって努力する力がつき、頑張ったら昇級できたという体験が、本人の自信にもつながっていると思います。」