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囲碁は、将棋と並ぶ伝統的なボードゲームの1つです。単に「碁(ご)」とも言います。
白と黒の石を盤面に並べて、自分の色の面積の大きさを競うゲームです。最近は大河ドラマでも武将や軍師が戦略を練るシーンでよく使われているので、見たことがある方も多いでしょう。
Googleによって開発されたコンピュータ囲碁プログラム「Alphago(アルファ碁)との対戦でも話題になったとおり、アジアを主に世界中で行われています。将棋のように何種類もの駒があるわけではないので、見た目はとてもシンプル。しかし見た目の単純さとは逆に、とても奥が深いゲームです。
囲碁の普及のために子供に囲碁を指導する囲碁教室や入門教室も全国にあり、習い事として囲碁に取り組んでいる子供も少なくありません。夏休みには子供プレイヤーを対象とした全国大会も行われており、強い子はプロの道(プロ棋士・碁打ち)に進むこともあります。
子供の囲碁の習い事は、将来プロ棋士を目指す道もあれば、一生楽しめる趣味を持ったり、日本の伝統文化を伝えていく役目を担うことができたりもする、間口の広い習い事だといえます。
【このページの目次】
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子供に囲碁を習わせるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
囲碁の習い事では、先生方とのやり取りや大会出場を通して、礼儀作法がしっかり身につきます。
また、勝負を通じて粘り強く考えられるようになったり、負けることによって精神的に強くなったりするというメリットもあります。
習っている子が少ないからか、同じ囲碁をやっている子供同士はとても仲がいいです。
また個人差はありますが、算数・数学の図形問題に強くなるという副次的なメリットもあります。最近では学校の先生方でも囲碁を知らない方が多いので、驚かれると同時にかなり感心されるようです。
子供の囲碁の習い事では、まず最初は、挨拶の練習といっしょに基本の石の置き方から習い始めます。囲碁では、正式には19×19の格子が描かれた19路盤という大きめの碁盤を使いますが、初心者や子供はもっと小さくて線の少ない9路盤などから始めます。
普段のレッスンの課題もいろいろです。定石という定番の指し方を覚えたり、他の子供や先生と対戦したり、「検討」と言って他の子の対戦結果を見ながら解説を聴いたりします。詰碁の問題を解いたり、詰碁のプリントが宿題に出されたりもします。
対局中は静かですが、検討のときはいろいろな意見が出るのでとてもにぎやかです。
子供の囲碁の習い事は、趣味としてやるのなら週に2回~3回練習をしますが、プロを目指している子の中には、毎日レッスンに行く子もいます。1回の囲碁のレッスンは2時間から3時間程度。
囲碁教室では、年に何回か昇級・昇段大会があります。毎年夏には日本棋院主催の全国大会が開催され、全国大会の上位陣の様子は教育テレビでも放映されていますよ。
子供の囲碁の習い事は、持って生まれた身体能力やリズム感などに影響される要素が少なく、強いて言えば、囲碁を指すことが好きで、夢中になれる子が囲碁に適性がある子と言えるでしょう。
子供が囲碁を習い始める年齢はまちまちです。お兄さんお姉さんと一緒に3歳くらいから始める子もいれば、小学校3~4年から始める子もいます。少し見学してみて、興味を持てば、いつから始めても大丈夫です。ただし、ある程度の時間は大人しくしていられるようになってからのほうがいいですね。
プロを目指すなら、年齢制限があるので小学生の間に始められればいいのですが、始める前にはプロを目指すかどうかはわからないので、まずは囲碁に興味を持ったら、やらせてみてはいかがでしょうか。
囲碁の習い事には、性格的な向き・不向きは特にないと思います。やってみて、囲碁がその子の好みに合うかどうかで決めるといいでしょう。
勝負ごとなので負けず嫌いの子にはぴったりですが、普段はおとなしい子が意外に勝負師な面を見せることがあります。飽きっぽい子は心配されますが、最初のうちは意外に速く勝負がつくのでそれなりにやっています。やっているうちにだんだん粘り強くなるものです。
意外なことに、ゲーム好きの小学生男子が強いです。ゲームの一種、なのかもしれません。
子供の囲碁の習い事のにかかるお金について、お金について。謝礼(一般的な習い事でいう月謝)は、先生にもよって異なり、月に数万円というところもありますし、1回いくらのところもあります。
筆者の子供が通う囲碁教室は、1回2,000円から3,000円(時間による)で、週に4回通っているため、一か月あたり3~4万円かかっています。実際は単純な時間計算ではないのですが、おおまかにいえば、1時間あたり1,000円程度。これは子供料金で安くなっており、大人はもっと高くなるのが普通です。
月々の謝礼のほかに、囲碁大会があれば、大会参加費用(公式大会は1回1,200円)と交通費、大会中のお昼ご飯代金などが必要です。全国大会に出るくらいに強くなれば、東京までの交通費と滞在費も必要になります。
ピアノやバレエなどの習い事のように、大きなお金の必要な発表会というものはありません。
囲碁教室に数年通っていると、子供が自分の碁盤と碁石を欲しいと言うかもしれません。
写真の碁盤は19路盤ですが、半分に折りたたんでコンパクトにしまえます。教室でもこのタイプのものを使っています。これで1万円程度です。テレビでプロ棋士が使っているような厚くて脚付きのものは、数万円から10万円くらいします。
碁石も、プラスチックのものから本格的な貝と黒石のものまでいろいろあります。石を入れるケースである碁笥も、木製からプラスチックのものまでさまざま。
写真のものはどちらもプラスチックで、黒白の石と碁笥がセットで数千円です。こういうものは欲しくなったら囲碁教室の先生に相談すると、専門のお店を紹介してくれます。
持ち運べるマグネットタイプもありますが、ちょっと小さくて使いにくいです。これは旅行に持っていきたいとき用ですね。
そのほかに、教室でもらった詰碁のプリントをファイルしたり、書き込みをする文房具があると便利。また、大会で日本棋院に行くと、囲碁の本(1,000円~3,000円程度)をねだられることもあります。
子供の囲碁教室の選び方についてですが、残念ながら、選べるほどたくさんの囲碁教室があるところは少ないのが実情です。長期間かつ長時間にわたり先生と付き合うことになるので、とにかく規模や生徒の受賞歴よりも、先生との相性が一番です。まずは見学して、親子とも先生と話をしてみましょう。
最初はコミュニティセンターなどで初心者向けの教室があれば、そこから始めて、子供の反応を見てみるのもいいですね。強くなって本格的に習いたくなれば、別の教室を紹介してもらうこともできます。
(※大きい子供で、院生=プロ養成コースになると、自宅で囲碁を教えている先生のお宅に通ったり、場合によっては住み込みのお弟子さんになるケースもあります。)
これから囲碁を習おうとする子供の場合は、学校の後に行くことになるのでなるべく近いところで、同じように子供が多い教室を探したほうが、子供が進んで通えると思います。同じ小学校の子供がいれば通いやすいでしょう。
子供の囲碁の習い事の親の負担は、教室への送り迎え、大会への送り迎えがメインです。あとは先生とのコミュニケーションですね。親御さんも囲碁ができれば、いっしょに打つこともできますが、親が囲碁をできなくても問題はありません。
最近は将棋同様にネット対戦も盛んなので、パソコンで囲碁の対局ができるサイトを探して、子供が使えるよう設定をしてあげるといいでしょう。日本棋院のネット対戦サイト「幽玄の間」は、学生なら月1,000円と割安になっています。教室の生徒同士で時間を決めてログインして、ネット対戦したりもしています。
ネット対戦の場合は、日本人同士に限らず、いろいろな国の人と対局できるのも面白いです。
囲碁を子供に習わせている保護者数名に「囲碁を習わせて良かったこと」を聞きました。
囲碁はなかなかおすすめの習い事だと思います。一番の泣き所は教室が少ないところですが、お近くに囲碁教室があれば、お子さんといっしょに見学してみるのもよいかもしれませんね。
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